マラヤンブラッドパイソンは1.5mくらいの長さながらも太い部分は直径20cm程もあるため、見た瞬間「太くて短い蛇」という印象を受けるでしょう。その体型のために巻きつくのが苦手ですが、それでも巻きつこうとする様子に愛らしさを感じる方は多いようです。
蛇らしい精悍で角張った顔立ちをしていて、格好よさと体型の愛らしさのギャップも密やかな人気ひとつでしょう。
しかし、気性は荒くハンドリングをするのは難しい蛇です。空腹だと噛み付いてくる場合もあり、蛇の飼育に慣れていないと飼うのは難しいでしょう。
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マラヤンブラッドパイソンの生態を知って飼育について考えてみましょう。
マラヤンブラッドパイソンはマレーアカニシキヘビとも呼ばれます。
東南アジアの沼地や湿地など湿度の高い場所に生息します。木に登るのは苦手で地表で生活し、水にもぐることもできます。体長は1.5~2メートル程度で胴の太さが直径20cmと、長さの割りに太い胴体が特徴です。
体長だけで大きさをイメージしていると見事に裏切られ、非常にボリュームがあり大きく感じられるでしょう。
頭は角張っていて鼻先は平らです。頭から首辺りはスラッと細いのですがどんどんと太くなり、尾の先から3分の2くらいは太くてずっしりとしています。
個人的に、太い部分から尾にかけての様子は刺身用に販売されている太いマダコの足に似ていると思います。
空腹であったり機嫌が悪いと飼い主でも噛み付いてくる場合があります。スネークフックを使用しないと世話をできない場合があります。
飼育して繁殖させたCB個体はベビーのうちから飼育していると慣れてハンドリングできるようになる個体もいます。
マラヤンブラッドパイソンは乾燥に弱く飼育するには湿度を高く保つ必要があります。
マラヤンブラッドパイソンは流通量が少なく、価格は3万~15万円程度と色柄などによって差があります。
寿命は25~30年程度で、肥満させずに上手にしいくすると長生きしてくれるでしょう。
マラヤンブラッドパイソンの飼育スペースを作ります。
マラヤンブラッドパイソンの飼育スペースを作り、必要なものを揃えましょう。
- 飼育ケース
飼育下では体長は1.5メートル程度で成長が止まる場合が多く蛇として長い方ではありません。しかし、胴体が太くボリュームがあるのと、地表で生活する蛇なので高さはなくても床面積の広い飼育ケースが必要です。
飼育ケースは市販されているサイズでは狭いので、横幅120cm以上で奥行き60cm以上の飼育ケースを自分で作るか特注で注文することになります。丈夫で飼育に適した飼育ケースを一般の方が作るのは難しいので、専門の業者に注文した方がよいでしょう。
ベビーのうちから広い飼育ケースで飼うと飼い主を見かける機会が少なくなり慣れづらくなります。ベビーのうちは小さい飼育ケースで飼い、成長に合わせてサイズアップさせていくと慣れやすくなります。 - 床材
床材は手入れのしやすいペットシーツがおすすめです。
ウッドチップなどを使用すると見た目がよく湿度も保ち易くなりますが、掃除の時に時間を要します。
マラヤンブラッドパイソンが慣れている場合には手間がかかっても交換可能ですが、慣れずに噛み付いてくるような場合には掃除が困難になります。
ペットシーツならばサッと取ってサッと敷くことができるので手早く交換することができます。
また、ウッドチップなどの床材は誤飲してしまう可能性があり危険を伴いますが、ペットシーツだと安心です。
ただ、ベビーのうちは特に湿度を高く保つことが重要なのでペットシーツは不向きであり、水苔の使用をおすすめします。水苔はしっかりと湿らせて使用しましょう。 - 水入れ
水は飲む他に身体を濡らして脱皮をスムーズに行うためにも必要です。
そのため身体全体が入る大きさの容器を用意します。小さいうちはタッパでよいのですが大きくなってくるとタッパでは入りきらないでしょう。
ホームセンターで大きくて丈夫な容器を探しましょう。左官用の壁材やコンクリートを混ぜる時に使用する「フネ」と呼ばれる容器もおすすめです。 - 温湿度計
温湿度計を設置して常に飼育ケース内の温度を把握できるようにしましょう。 - 霧吹き
マラヤンブラッドパイソンに適した湿度は70~80パーセントです。湿度が低いと脱皮不全になったり拒食して体調を崩してしまう場合があります。
湿度が足りない時には霧吹きをして加湿しましょう。
特にベビーのうちは耐性がないので湿度を保つことが重要です。
但し風通しが悪いと蒸れたり排泄物の毒気に当たって弱ってしまう場合があります。風通しがよい場所に置いて排泄物はすぐに掃除しましょう。 - ピンセット
エサを与えるときに使用します。 - スネークフック
マラヤンブラッドパイソンが機嫌の悪いけれど飼育ケース内の掃除や水を取り替えなければいけないときなどに活躍します。
マラヤンブラッドパイソンの体調を保つためにホットスポットを作ります。
寒いと身体が冷えて、消化不良になってしまう場合があります。
飼育ケース内の温度は日中は28~32度程度に保ってあげましょう。自然でも夜間は多少気温が下がるので夜間は25~26度程度でも大丈夫です。
保温ライトを使用して飼育ケースの中にホットスポットを作ります。
夜行性なので紫外線ライトは無くて大丈夫です。
保温ライトを飼育ケースの半分から3分の1程度の範囲に照射して30~32度程度のホットスポットを作ります。
ホットスポットの反対側は28度程度になるようにします。
全体を保温してしまうと熱い時の退避場所がなくなるので、一部にホットスポットを作ることによってマラヤンブラッドパイソンが自分で温度調節できるようになります。
マラヤンブラッドパイソンのエサはマウスやラットです。
マラヤンブラッドパイソンはサイズに合わせてマウスやラットを与えます。
ベビーのうちはマウスを、大人になったらラットを与えます。
- サイズの選び方。
蛇は頭か胴体の太い方と同じくらいのサイズのマウスやラットを選びますが、マラヤンブラッドパイソンは長さの割りに胴体が太い蛇です。そのため胴体の太い部分よりもひと回りかそれよりもワンサイズ小さいものを与えましょう。
エサのサイズの好みには個体差もあり、サイズが気に入らないと食べない場合もあります。ただ、大きすぎてつまってしまうと大変なので小さ目のものから与えて様子をみてサイズアップさせましょう。 - マウスやラットはしっかりと解凍する。
マウスやラットビニール袋に入れてお湯に浸けて解凍します。お湯の温度は60度程度にします。お湯が冷めたらまた熱いお湯に取り替えます。
触ってみて硬い部分や冷たい部分がないことを確かめましょう。内部が冷たいと消化不良の原因になります。マラヤンブラッドパイソンが体調不良にならないようにしっかりと中まで解凍することが大切です。
水気を拭きとってから与えましょう。 - エサはピンセットで挟んで与えます。
マウスやラットをピンセットで挟んで与えます。安全のため皮手袋を装着して与えましょう。 - エサを与える頻度。
ベビーのうちは週に2回を目安として、1歳くらいまでは食べるだけ与えるとよいでしょう。
大人になったら3週間に1回を目安として、肥満にならないように調節して与えましょう。
マラヤンブラッドパイソンをできるだけ慣れさせるポイント
愛情を持って次のポイントを抑えて飼育すると慣れてくれる可能性が高くなるでしょう。
- CB個体をベビーから飼育する。
マラヤンブラッドパイソンのWC個体は人に慣れづらくハンドリングは難しいですが、CB個体はベビーから飼育するとハンドリングできるようになる場合があります。 - ベビーのうちは小さい飼育ケースで飼う。
慣れさせるためにはベビーのうちは小さめの飼育ケースで飼い、様子を見ながら機嫌のよい時にハンドリングしましょう。無理強いは禁物です。 - 持ち方を練習する。
蛇は人に持たれて身体が安定しないと落ち着きません。手の平や腕などうまく使ってできるだけ蛇の身体をしっかりと支えられるように練習しましょう。 - 嫌がることをしない。
驚かせたり嫌がることをすると人に対して不快さを学習します。蛇は上から掴もうとすると警戒したり怯えて攻撃してくる場合があります。
前扉の飼育ケースを利用して上からの接触を避けましょう。小さいうちに前扉の飼育ケースを利用できない場合はできるだけ顔の前方から世話をしましょう。
ハンドリングする場合はお腹から拾い上げるように持ちあげましょう。
寿命も長いので飼育を始めるには十分な知識と将来の計画が必要です。
マラヤンブラッドパイソンは気性が荒く人に慣れづらい蛇ですが、愛情を注いで上手に飼育すると慣れてくれる場合があります。
しかし、慣れてくれずにハンドリングもできない場合もあります。
飼育する場合は「慣れないのもまた個性」と捉えて観賞するのみになることを覚悟して臨みましょう。