スカーレットジェムが人工餌を食べない場合には生餌を与えます

スカーレットジェムの飼育は難しくはありませんが、餌やりで苦労する場合があります。多くの熱帯魚は人工餌を食べてくれますが、スカーレットジェムはどんなに飢えても人工餌には見向きもせず生餌しか食べない個体が多くいます。そのような個体の場合には生餌を用意して毎日与える必要があります。生餌を毎日用意するのは大変ですが、ブラインシュリンプだと比較的容易に用意することができます。

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スカーレットジェムは人工餌に餌付かず生餌しか食べない個体が多くいます。

自然界に生息する野生の熱帯魚でさえも人工餌を与えるとパクパクと食べる場合が多くいますが、スカーレットジェムは飼育下で繁殖した個体でも人工餌を食べない場合が多くあります。そのため飼育難易度の高い魚となっています。

人工餌を食べないスカーレットジェムが食べる餌はミジンコやブラインシュリンプなどの生きている餌です。

冷凍赤虫ならば食べる場合もあるので、人工餌を食べない場合にはまずは冷凍赤虫を与えてみるとよいでしょう。
但し、冷凍赤虫は水質を悪化させやすいので食べ残しは直ぐに取り除くようにしましょう。
釣りの餌用で販売されている生きた赤虫は飼育魚の健康に悪い薬剤が使用されている可能性があるので与えないようにしましょう。

スカーレットジェムの餌としてブラインシュリンプを孵化させて与える。

餌を食べなかったり餌食いが悪いスカーレットジェムにはブラインシュリンプを与えてみましょう。

スカーレットジェムは生餌を好むのでブラインシュリンプならば食べる個体が殆どです。ブラインシュリンプは孵化してから1日以上経つと栄養が大幅にダウンしてしまうので孵化したらその日のうちに与えるようにしましょう。
タッパや果物が入っていたプラスチックトレーなどで孵化させることができます。
  1. カルキ抜きした水に塩を入れて塩水を作ります。
    2リットルのペットボトルに水を半分入れて塩を小さじ5杯入れ、蓋を閉めてよく振ります。塩は精製されていない粗塩などを使用します。
    塩水は何回も使用できるくらいまとめて作っておくと毎日作る必要がなくなります。
  2. タッパにブラインシュリンプの卵と塩水を入れます。
    横幅15cm程度のタッパにブラインシュリンプの卵を小さじ半分程度入れて塩水を1~1.5cm程度の深さまで入れます。できるだけ卵が浮かないように卵の上から塩水を注ぎます。水深が深いとエアレーションが必要になるので孵化させたい量に合わせてタッパの底面積が広いものを選び、水深が深くならないようにします。
  3. タッパを25度程度の場所に置きます。
    ブラインシュリンプは水温が25度程度だと約1日、16度程度だと約2日で孵化します。水槽の蓋の上に置いておくとある程度温まります。
    水が蒸発して減った場合はその分追加して塩分濃度を保ちます。
  4. 孵化したら濾して塩水を流します。
    ブラインシュリンプが孵化したら卵の殻を避けてスポイトで吸い取りフィルタータイプの茶漉しに入れます。塩水が流れ落ちたらカルキ抜きした水をブラインシュリンプにかけて更に塩分を流します。水槽の飼育水を少しスポイトで吸い取って使用してもよいでしょう。
  5. ブラインシュリンプをスカーレットジェムに与えます。
    茶漉しを水槽に少し浸けてブラインシュリンプを飼育水と一緒にスポイトで吸い取りスカーレットジェムの近くに放出します。

スカーレットジェムの餌としてブラインシュリンプが沢山必要な場合は孵化器の利用がおすすめです。

スカーレットジェム以外の熱帯魚もブラインシュリンプを喜んで食べます。

栄養よく大きく育てたい場合には他の熱帯魚にも毎日ブラインシュリンプを与えるとよいのですが、ブラインシュリンプを孵化させる手間がかかるので便利な人工餌が利用されています。
しかし、スカーレットジェムに与えるために毎日ブラインシュリンプを孵化させるならば少量でも多量でも手間は同じです。沢山孵化させて他の熱帯魚達にも与えるのもよいでしょう。

大量に孵化させるには市販されている孵化器を利用すると便利です。
水量が多くなると水を保温するのに手間がかかるところですが、熱帯魚の水槽内にセットして保温する事もできるので非常に便利です。
また、水量が多くなるとエアレーションをする必要が出てきますが、水槽のエアレーションを分岐して利用することができます。
とても効率的にブラインシュリンプを孵化させることができます。
スカーレットジェム以外の熱帯魚達も喜ぶ事でしょう。
活き活きと餌を食べる様子を見ている餌を与えた甲斐があり、嬉しくなるものです。

スカーレットジェムが餌を食べない場合には飼育環境を見直してみましょう。

生餌を与えてもスカーレットジェムに食欲が戻らない場合には餌以外に問題があると考えられます。

飼育環境が適切であるかどうか確認しましょう。

  • 水温に問題がないか。
    スカーレットジェムは24~26度程度の水温で元気に活動することができます。水温が低いと食欲が減退するので高めの26度に設定してみましょう。
    反対に水温が高すぎる場合には水槽用ファンを使用して26度程度を保ちましょう。
  • 水質が弱酸性になっているか。
    スカーレットジェムに適した水温は弱酸性です。底砂が水質をアルカリ性に傾ける素材のものでないか確認しましょう。ソイルや流木は水質を弱酸性に傾けてくれます。
  • 隠れ家があるか。
    スカーレットジェムは臆病な熱帯魚なので隠れ家がないと安心して生活することができません。そうなるとストレスがたまり食欲も減退してしまいます。流木や岩を入れてスカーレットジェムが安心して棲まえる隠れ家を作りましょう。水草も多めに入っているとより安心してくれるでしょう。

スカーレットジェムの餌やりは縄張り内で与えるようにしましょう。

スカーレットジェムは身体が小さく臆病な性格なので、基本的には隠れ家の中かその付近だけで暮らします。よい隠れ家を見つけるとそこを縄張りとして暮らし、その場所から離れません。
そのため餌はスカーレットジェムの隠れ家付近に与えましょう。離れた場所に餌があってもそこまで出向いて食べに行かず飢えてしまう場合があります。
スカーレットジェムがどこを隠れ家にしているのかを確認しておき、毎日姿を確認して餌を与えましょう。

スカーレットジェムは餌やりに手間がかかりますが、喜んで餌を食べる様子を見ると嬉しさと安心感、遣り甲斐が感じられます。
しっかりと餌を食べさせていると健康で体色も良くなり、水槽の中で宝石のように輝いてくれるでしょう。

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