ナイルモニターは手の平に乗るような可愛らしいベビーの状態でよく販売されているのを見かけますが、全長100cm以上に成長して気性も荒いので飼育するにはかなりの心づもりが必要です。
小さいうちから飼育しているとなつくと思うものですが、そうはいかないのがナイルモニターです。ナイルモニターを飼う時には、成長してからの様子をイメージしておくことが非常に重要です。
また、ベビーから大人になるまでの飼育方法を知っておく事も大切です。
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ナイルモニターを飼育するためにはその生態を知ることが大切です。
ナイルモニターは英名で和名はナイルオオトカゲといいます。
アフリカ大陸の中部から南部の河川や湖などの水辺に生息し、泳いだり水にもぐったり木に登ることもできます。
全長は120~150cm程度まで成長するものが多いですが、200cm以上になる場合もある大型のトカゲです。
寿命は10~15年程度で飼育環境によってかなり差があります。
気性が荒く臆病で人になつかない個体がほとんどで、飼い主でも近づくと逃げ回ったり攻撃してくる場合が多くあります。
小さいうちから飼育していると稀になつく個体もいます。
ナイルモニターは大きく成長し気性も荒いということを理解して飼育しましょう。
ナイルモニターは10000円以下で販売されているのをよく見かけます。
ペットショップなどで販売されているのはベビーが大半で、尾の部分ははみ出すにしても頭から尻部まで手の平に収まるほど小さく可愛らしい様相をしています。
身体が大きくてなついていないと危険も伴います。ナイルモニターは貝も噛み砕いて食べられるほど歯の力が強く、大きな個体に噛まれると大怪我をする可能性があります。
ナイルモニターは気性が荒いと表現されますが、それは臆病さの表れでもあります。
怖いから自分を守ろうとして暴れたり攻撃してくるのです。
ナイルモニターの攻撃としてはかじる他に尾をムチのように振って叩くのが得意です。
標的の反対側に尾を大きく丸めた状態は尾を叩き付ける前の臨戦態勢です。
愛情を込めてナイルモニターを飼育しても逃げ回ったり攻撃をし続けられると気が萎えるものでしょう。
しかし、ナイルモニターは飼い主が嫌いで逃げ回ったり攻撃をするのではなく臆病故に怖がっているのです。
ナイルモニターを飼う場合は「なつかなくても眺めているだけでよい…」そんな気持ちで飼いましょう。
ナイルモニターは稀になつく場合もあります。
なつくかどうかは個体の性格や飼育方法によって変わってくると考えられます。
なつく事は稀であるとはいえ、愛情を持って適切にしいくしているとなついてくれる可能性が高まるのは確かです。
そのためには次のことに気をつけて飼育をしましょう。
ナイルモニターを怖がらせない。
ナイルモニターは臆病で怖いと思い逃げたり攻撃してきます。そのため怖がらせないようにすることがとても大切です。
怖がらせないためにはナイルモニターを扱う時は上から手を出したり覗き込む事はやめましょう。赤ちゃんの頃のナイルモニターは身体が小さく猛禽類から狙われる存在です。そのため上から何かが近づいてくることに恐怖を感じ警戒します。
できるだけ顔の前の低い位置から扱うようにしましょう。ハンドリングする時は前側からお腹の下に手の平を上にして滑りこませるようにして持ち上げます。
野生で捕食される時には背中側から覆いかぶさるように捕らえられます。そのためできるだけ背中側からつかまないようにしましょう。
- 驚かせない。
突然大きな声や音を出して驚かさないようにしましょう。急な動きも禁物です。
お世話をする時には優しく声をかけてゆっくりとした動作で近づきましょう。 - 赤ちゃんのうちから毎日ハンドリングする。
ナイルモニターになついてもらうためには赤ちゃんのうちから毎日ハンドリングをして慣らしましょう。赤ちゃんのうちから毎日ハンドリングをしてもなつく訳ではありませんが、赤ちゃんのうちにハンドリングをしていない固体が大人になってからハンドリングできるようになることはまずないでしょう。
毎日時間を決めてハンドリングして生活習慣の中に組み込みましょう。 - 飼育環境を整える。
ナイルモニターが健康で快適に過ごせるように必要な飼育設備を整えて温度と湿度管理もしっかりとしてあげましょう。 - シェルターを設置しない。
爬虫類の飼育では安心して過ごせるように隠れ家となるシェルターを設置する場合が多いのですが、ナイルモニターにシェルターを設置するとずっと隠れて出てこなくなる可能性が高くなります。
そうなるとなつく可能性が低くなるので、なつくようにチャレンジする場合にはシェルターは設置しない方がよいでしょう。
その代わり大きな水入れや登り木を設置して快適な環境を作ってあげましょう。
ナイルモニターの飼育方法
飼育するのに必要なアイテムを揃えてナイルモニターが快適に過ごせる環境を作りましょう。
- 飼育ケース
飼育ケースは大人になると横幅が180cm以上奥行きは90cm以上で高さは60cm以上あるものを用意してあげましょう。
ナイルモニターは水辺に生息しますが木登りも好きな個体が多くいます。そのため高さのある飼育ケースで登り木を設置してあげることをおすすめします。木の上でのんびりとくつろぐ様子はとても愛らしいものです。
ただし、ベビーのうちから広い飼育ケースに入れると逃げ回りなつく可能性が低くなります。ベビーのうちは横幅45cm程度の小さな飼育ケースで飼い、人と接する事に慣れさせるとよいでしょう。 - 床材
床材はペットシーツがおすすめです。ウッドチップやヤシガラマットは保湿性が高く見た目も良いので人気がありますが、誤食してしまう可能性があります。誤食して詰まってしまうと生命に係わります。ダニなどがわく可能性も低くさっと交換できるのでお手入れも非常に簡単になります。 - 水入れ
水辺で生息するナイルモニターにとっては飲み水として以外に中に入るためにも欠かせません。
全身が入れるような大きさの水入れを設置しましょう。
ベビーのうちはタッパで、大人になってからはナイルモニターがすっぽりと入れて出入りしやすい深さのトレーなどをホームセンターで探すとよいでしょう。
ナイルモニターは水が好きで、水入れの中にすっぽりと入って気持ち良さそうに過ごす姿も見られます。
ナイルモニターは全身が入れる水入れを設置して置くとその中で排泄をするようになる場合が多く、そうなると飼育ケースの清掃も容易になります。
水は毎日とりかえて清潔に保ってあげましょう。
水の温度は28~30度くらいに保ちましょう。 - バスキングスポット
40~45度程度のバスキングスポットを作ります。
ナイルモニターは昼行性で日光浴をします。日光浴することによって身体を温めて消化を促進したり、カルシウムの吸収が促進して健康を保ちます。
バスキングスポットは大きな石や岩、流木などに紫外線のライトと保温用のライトを照射して作ります。
背中だけではなく温まった石や岩、流木に張り付いてお腹も温めるので、平べったいものを選びましょう。お腹を温める事ができないと消化不良になってしまう場合があります。紫外線ライトは強いものを選び、照射する場所までの距離で微妙な強さを調節しましょう。 - 寒い時期は保温する。
飼育ケースの中の温度は25~30度程度に保ちます。
保温は上部に取り付けて飼育ケース内全体を温めるヒーターと、飼育ケースの底に敷いて床暖のように温めるヒーターを併用することをおすすめします。
温度が低いと爬虫類は消化不良を起こしたり食欲が無くなり生命に係わる不調となる場合があるので、温度管理はとても重要です。
飼育ケースの底に敷くヒーターは全体ではなく飼育ケースの床面積の半分から3分の1程度と部分的に敷いて温かい場所を作ります。
全体に敷くと暑くなった時に逃げる場所が無くなるので、ナイルモニターが自分で快適な場所を選べるようにします。
飼育ケースが大きくなると飼育ケース上部に取り付けて飼育ケース全体を温めるヒーターでは温めきれない、もしくは電気代が高くなるので部屋全体をエアコンなどで温めた方が効率よくなる場合があります。 - 湿度は60~70パーセントに保つ。
湿度は60~70パーセント程度に保ちましょう。とくに赤ちゃんのうちは乾燥に弱いのでまめに湿度をチェックして乾燥している場合には霧吹きで湿らせましょう。 - 登り木を設置する。
ナイルモニターは泳ぐことができて水の中で過ごすのも好きですが、木登りが好きな個体も多く存在します。
登り木を設置すると気持ち良さそうに登り木でくつろぐ場合があります。
ナイルモニターの餌はベビーと大人とで変える必要があります。
ナイルモニターはベビーの頃と大人になってからでは身体のサイズが大きく異なります。そのためエサの種類を変える必要があります。
ベビーの頃の餌
昆虫だけでは栄養が偏るのでビタミン剤やカルシウム剤を振りかけて与えます。
おすすめの餌やりの方法は、羽や足をもいで冷凍販売されているコオロギを解凍してからビタミン剤とカルシウム剤を振り掛けてピンセットで与える方法です。
こうしてエサを与えているとなつきやすくなるでしょう。
ベビーのうちからずっと虫だけを与えていると成長に伴い栄養不足となり突然生命を失ってしまう場合があります。
また、ベービーからの成長期にしっかりと栄養を摂ると大きく健康な個体に成長してくれる可能性が高くなります。
そのためベビーのうちからささみを小さくちぎって与えたり、ピンクマウスを食べられるようになったらたまに与えることをおすすめします。
亜成体以降の餌
亜成体になったら鶏のささみをメインとしてたまにピンクマウスや雛ウズラを与えます。
餌にはビタミン剤とカルシウム剤を振り掛けます。
ナイルモニターは野生では魚やカエル、カタツムリなどを主に食べて過ごします。これらは高タンパクで低脂肪であり、飼育下では鶏のささみが適しているのです。
ピンクマウスは栄養価が高いのですが脂肪分も多いので頻繁に与えると肥満になってしまいます。