ハイナントカゲモドキは人気があり多く飼育されているヒョウモントカゲモドキと似ていますが、性格はヒョウモントカゲモドキよりも臆病でシェルターの中で多くの時間を過ごします。また、湿度もヒョウモントカゲモドキよりも高く保っておく必要があります。そのためビバリウムで飼育するとハイナントカゲモドキの活き活きとした様子を見ることができおすすめです。
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ハイナントカゲモドキを飼育するにはその生態を知っておくことが大切です。
ハイナントカゲモドキは中国の南東にあるハイナン島に生息します。
ハイナン島は中国の最南端にある島で、ベトナムのハノイよりも南に位置します。
ハイナン島の熱帯雨林に生息し、夜行性で昼間は岩陰等に隠れて過ごします。
全長は14~17cm程度まで成長し、寿命は10年程度です。
ハイナン島は最低気温が16度程度で最高気温は33度程度まで上がります。
ハイナントカゲモドキは寒い時や暑い時は岩陰等に隠れて温度調節をして過ごします。
そのため適温は22~26度程度でこの温度帯よりも下がったり上がると活動力が低下して体調を崩す可能性が高くなってきます。
肉食性で主に昆虫やクモなどの虫を食べます。
オスは縄張りを持つので複数を一緒に飼うと喧嘩する可能性が高くなります。
オスとメスのペアやオス一頭とメス2頭では飼育可能となる場合がありますが、個体同士の相性もありうまくいくとは限りません。
繁殖させるとなると卵詰まりなどの危険性もあるので、初心者のうちは単独で飼育する事をおすすめします。
ハイナントカゲモドキを飼育するために必要な環境を整えましょう。
ハイナントカゲモドキをしいくするために必要なアイテムは基本的にはヒョウモントカゲモドキと同じです。
- 飼育ケース
飼育ケースは横幅が35cm以上の物を用意しましょう。シェルターの中で過ごす事が多いのでそれほど広いスペースは必要とはしません。しかし、夜間の人が見ていない間は出て過ごしているようなので、流木を置いたり登り木を設置すると登るようです。 - 床材
ヒョウモントカゲモドキは湿度対策としてはシェルターや水入れを設置するだけで大丈夫なので床には誤食の可能性がなくお手入れが簡単なペットシーツがおすすめです。しかし、ハイナントカゲモドキはシェルターや水入れだけでは湿度対策が十分ではなく、床材を湿らせておく必要があります。
そのため保湿性の高いヤシガラマットやテラリウムソイル、ピートモスなどをしっかりと湿らせて敷き、表面が乾いてきたら霧吹きで湿らせて湿度を70~80パーセント程度に保ちます。 - 水入れ
水入れは飲み水の他に脱皮する時に入る場合があるので全身が入れる大きさの物を用意します。 - シェルター
ハイナントカゲモドキには隠れ家となるシェルターが欠かせません。素焼き製で上部に水を入れておくと中にしみ出るタイプのものが人気です。 - ヒーター
飼育ケース内を22~26度に保つようにヒーターを設置します。上部の蓋の裏側に設置して飼育ケース内全体を温めるヒーターと、飼育ケースの底に敷くタイプとの併用をおすすめします。下に敷くタイプは飼育ケースの半分から3分の1程度だけに敷いて、暑くなった時に退避できるようにしておきます。 - 温室時計
ハイナントカゲモドキは温度と湿度管理が非常に重要です。温度と湿度が適切でないとすぐに食欲が落ちて弱ってしまいます。必ず設置して毎日温度をチェックしましょう。1日のなかでも朝、昼、晩、夜中と温度が変わるので注意が必要です。
動きが少なく高湿度を必要とするハイナントカゲモドキの飼育にはビバリウムが最適です。
ビバリウムは植物や動物が生息している環境を再現して作ることで、水の中の環境をアクアリウム、地上の環境をテラリウムと呼びます。
ハイナントカゲモドキは多くの時間をシェルターの中にもぐって過ごし、エサを与える時にチラッと見える以外はまずお目にかかれないという飼い主さんも少なくありません。
しかし、ビバリウムを作って飼育すると木に登ったり草の陰を歩いたりシェルターに出入りする様子を見られる場合が多くなるようです。
ハイナントカゲモドキの身になって考えてみても、フラットな飼育ケースにシェルターと水入れが置かれているだけの環境よりも植物や登れる木、本物のような穴ぐらや水辺があると嬉しいに違いありません。
ビバリウムを作ってハイナントカゲモドキを飼育すると、本来の活き活きとした様子を見られるようになる可能性がぐっと高まります。
ビバリウムは小動物を入れずに植物だけで作って楽しまれる場合が多く、そのことを考えるとインテリアとしても楽しむことができるようになります。
ハイナントカゲモドキに本来の生息環境に近いビバリウムを作ってあげることをおすすめします。
床材はエサを食べる時に誤食してしまう危険性があるのですが、ビバリウムでコケを敷き詰めるとその危険性も軽減することができます。
ハイナントカゲモドキの飼育にぴったりなビバリウムの作り方。
ハイナントカゲモドキにぴったりのビバリウムは意外と簡単に作ることができます。
用意するもの
- 飼育ケース(テラリウム用の前開きで上部のフタも取り外せるものが最適です)
- 軽石(中球くらいの大きさ)
- ヤシガラマット
- 鉢底ネット(樹脂性で切られていない大きなもの)
- 流木
- シェルター
- 水入れ
- コケ(ウィローモス、アラハシラガゴケなど)
- 植えつける植物(ネフロレピスなどのシダ系がおすすめです)
- ライト
- 飼育ケースの底に軽石を洗って敷き詰めます。
- その上に鉢底ネットを敷きます。
鉢底ネットがあるとその上に敷くヤシガラマットが軽石の間に入り込まなくなり通気性を保つのに役立ちます。 - 鉢底ネットの上に水で戻したヤシガラマットを敷きます。小高い場所を作ったりと好みの形に造形します。
- シェルターと流木を設置して植物を植えてからコケを敷き詰めます。ヤシガラマットが見えないようにコケを敷き詰めておくとヤシガラマットの誤食防止になります。
シェルターや流木は倒れたりしてハイナントカゲモドキが下敷きにならないようにしっかりと設置しましょう。流木はななめに設置して登れるようにするのがおすすめですが、誤って落下したときに怪我をするような尖った流木などを下に置かないようにしましょう。5. 植物やコケが生育できるようにライトを設置します。ビバリウム用のライトや水草を育てる水槽用のライト、LEDライトがよいでしょう。
下の軽石の部分に水が滴り落ちる程度かけます。軽石層が水浸しになると植物が根腐れを起こしたりとビバリウムの環境悪化につながるので水をかけすぎないように気をつけましょう。
ハイナントカゲモドキは決まった場所で排泄をする場合が多いので、排泄物する場所を把握して掃除をしましょう。
水入れは毎日交換して清潔に保ちましょう。
ハイナントカゲモドキの餌の与え方
ハイナントカゲモドキは虫を食べるので、飼育下では餌として販売されているコオロギやデュビアに不足する栄養を添加して与えます。
- コオロギ、デュビア
コオロギは後ろ足をもいで与えるとハイナントカゲモドキが食べ易くなります。後ろ足が付いた元気な状態で放っておくとハイナントカゲモドキに噛み付く場合があります。
稀に体内で羽や足が溜まって詰まってしまう場合があるので、生餌ではなくても食べる場合には冷凍で羽や後ろ足がもがれて販売されているコオロギがおすすめです。 - カルシウムとビタミンを添加する。
昆虫だけではビタミンやカルシウムが不足して病気になってしまう可能性が高くなるので、コオロギなどにカルシウム剤とビタミン剤を振りかけて与えます。
カルシウム剤は毎回振り掛けますが、ビタミン剤は1~2週間に1回だけ振り掛けます。ビタミン剤は毎回かけると摂り過ぎとなりやはり病気の原因となってしまうためです。
そのためカルシウムだけのものと、カルシウムにビタミンも添加されたものの2種類を用意すると便利です。 - ヒョウモントカゲモドキの人工餌を与える。
ヒョウモントカゲモドキ用の人工餌を食べる個体もいるので、たまに与えてみる事をおすすめします。人工餌も食べるようにしてストックしておくと災害等で昆虫が手に入らないときにも安心です。 - 食べる様子や体型を見て与える量を調節します。
与える目安としてはベビーのうちは毎日もしくは1日おきで1回にss~sサイズを3匹程度ですが、食べなくなるまで与えるとよいでしょう。
大人になったら3~4日に1回与えます。食べるだけ与えてよいのですが、食欲が旺盛で好きなだけ与えると肥満になってくる場合には量を制限します。
エサを与える量や頻度は食欲や体型をみて調節しましょう。
食べるところが見られない場合は翌日にエサが残っている場合には減らす、痩せている場合には量や頻度を増やすなどして適正な体型を保つようにしましょう。 - 餌は生餌を飼育ケースに入れます。
餌やりは基本的には生餌を飼育ケースに入れて与えますが、購入する前に飼育されていたのと同じ方法で与えるとよいでしょう。
環境に慣れてきたらピンセットで与えることにチャレンジしてみるのもよいでしょう。ピンセットから食べてくれるようになったら冷凍コオロギや人工餌も食べさせられるようになる可能性が高まります。