ミシシッピニオイガメはカメの中では小型で13cm程度までしか成長しません。大きくなるカメは成長すると衣装ケースなど広い飼育ケースが必要となりますが、ミシシッピニオイガメは成長しても横幅60cm程度の飼育ケースで育てることができます。
丸くて厚みのあるコロコロとした甲羅が愛らしく、性格が温厚で飼い主を判別して寄って来るようになります。
カメの中では飼育が容易で人慣れするのでペットとしてとても人気があります。
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ミシシッピニオイガメを飼育するにはその生態を知っておきましょう。
ミシシッピニオイガメはアメリカ合衆国とカナダの東部の穏やかな流れの河川や湖などに生息します。
カメなので陸上で生活することも多くあると思われがちですが、ミシシッピニオイガメはほとんど陸にあがることはなく水の中だけで生活します。
夜行性なので昼間は水底や水中の物陰に隠れて過ごしますが、昼間に起きて日光浴をすることもあります。その場合でも水面に浮上した状態で日光浴し、陸にはあがりません。
ミシシッピニオイガメは甲羅の全長が13cmくらいにしか成長しない小型のカメなので、多くの外敵から狙われる存在です。そして、泳ぐのは得意ですが陸での活動は苦手です。
そのため陸に上がると外敵に捕食されるリスクが非常に高くなるので水中でのみ生活するようになったと考えられます。
外敵に狙われるなど危険を感じると後足の付け根にある臭腺から強い臭いを発します。それが由来となり名づけられましたが、飼育されている状態で臭いを出す事はありません。
穏やかな性格で人に慣れるのでペットとして人気があります。
寿命は25~30年程度です。
ミシシッピニオイガメを飼育するために必要なアイテム。
ミシシッピニオイガメを飼育するために必要なアイテムを揃えましょう。
野生のミシシッピニオイガメは水中で過ごし、陸に上がる事はほとんどありません。
そのため飼育する場合にも陸はなくても大丈夫です。
- 飼育ケース
飼育ケースはベビーのうちは横幅が40cm程度のもので大丈夫ですが、大人になったら横幅60cm程度のものが望ましいでしょう。
ミシシッピニオイガメは水質の悪化に弱いので水をきれいに保つことがとても大切です。水の量が少ないとそれだけ水質の悪化が早まります。水槽が大きくなると水の量が増えるので水質も悪化しづらくなります。
また、ミシシッピニオイガメは水の中で生活し、泳ぐことが好きです。飼育ケースが広く水の面積が多いとスイスイ泳ぐことができて快適に過ごしてくれるでしょう。 - 隠れ家
ミシシッピニオイガメは水の底で落ち葉や泥などにもぐって寝ます。
野生では身体が小さいため多くの天敵から狙われる立場であり、物陰に潜んで安心する性質があります。
飼育下でもミシシッピニオイガメが安心して過ごすためには隠れ家の設置は必須です。
水槽の底に隠れ家を置いてあげましょう。洞窟タイプの他に煙突のような縦穴のものを好む個体もいるので両方置いてあげるのもよいでしょう。 - 濾過装置
ミシシッピニオイガメは水質が悪いとすぐに病気になったり生命を失ってしまう可能性があります。水質を保つための濾過装置を設置しましょう。
水槽の底の水を動かすために投げ込み式フィルターが適していますが濾過能力としては物足りないので、濾過能力の高い上部フィルターを併用することをおすすめします。
投げ込み式フィルターが水槽の底から水を動かし、上部フィルターがしっかりと濾過してくれるので水槽内全体の水を効率よく濾過することができます。
水槽内のコケも発生しづらくなります。
濾過装置によってはかなり熱を発して水温が上がってしまう場合があるので、購入する前に温度上昇について確認しましょう。そうして設置した後は水温の変化をよく確認しましょう。
また、濾過装置はお手入れが必要なので、お手入れがしやすい濾過装置を選ぶとよいでしょう。 - ヒーター
ミシシッピニオイガメは寒いと冬眠しますが、飼育下で冬眠させるとうまくいかずそのまま生命を失ってしまう場合があります。
飼育ケース内の水は自然の河川や湖などに比べるととても量が少ないので気温の変化に左右され易く、温度が上昇した時に冬眠から覚めてしまう場合あがあります。その時に人が気づかないとそのまま飢えてしまうなど、自然環境での冬眠のように上手く行かない場合が多くあるのです。
そのため飼育下ではヒーターを使用して冬眠させない方がよいでしょう。ミシシッピニオイガメが元気に活動できる温度は22度~28度程度の間なので25度を目安にして温度管理しましょう。 - 水温計
水温計を設置して常に水の温度を把握できるようにしておきましょう。
ミシシッピニオイガメを飼育するための水深とレイアウト
必要なアイテムの他にも飼育環境をつくるためのポイントを抑えておきましょう。
- 水深
ミシシッピニオイガメは水の中で生活するので、ある程度の水の深さが必要です。
水深は25~30cm程度にするとよいでしょう。
水が浅すぎると水質が悪化し易くなり、ひっくり返った時に戻れなくなってしまう場合があります。 - 陸地
陸地は必須ではありませんが、ベビーのうちは利用する場合が多くあるようです。成長するにつれて全く使用しなくなる固体が多いのですが、体調が悪い時等に使用する場合があるので設置しておくと安心です。
ただ、広く場所を取ると泳げる範囲が狭くなってしまうので、省スペースの陸地にするか浮島程度でよいでしょう。 - 底砂や砂利
水槽に底砂や砂利を敷くと掘って身体をうずめて休む場合もありますが、水替えをするときに砂利などがあると手間がかかります。ミシシッピニオイガメは水質を保つことが大切であり濾過装置を設置しても1週間から2週間に1回は水替えが必要です。
寿命が長く長い付き合いとなるので、できるだけ負担にならないように飼育する事も大切です。
また、ミシシッピニオイガメは隠れ家があるとそこで過ごすので、底砂や砂利の必要性はそれほど高くはありません。
底砂や砂利を敷いてあげても水替えが億劫になり回数が減ると本末転倒なので、底砂や砂利は敷かなくてもよいでしょう。 - バスキングライト
飼育ケースは窓からよく日が入る部屋の直射日光が当たらない場所に置いておくとバスキングライトは必要ありません。
ミシシッピニオイガメはほとんど日光浴をしないのですが、たまに水面に浮いて日光浴をする事があります。そのためある程度の日当たりは必要であると考えられます。
また、本来は夜行性ですが飼育していると日中でも活動することが多くあります。
ミシシッピニオイガメの飼育では水替えが重要です。
ミシシッピニオイガメを飼育するためには水替えをして水質を保つことが大切です。
水換えの頻度は水の汚れ具合を見て決めますが、目安となる頻度をご紹介します。
- 濾過フィルターなしの場合。
ミシシッピニオイガメを濾過フィルターを使わずに飼育する場合には水を毎日替える必要があります。
ベビーのうちは仮住まいとして40cm程度の小さい飼育ケースで濾過装置をしようしないで飼育される場合もあります。その場合には毎日水を交換してあげましょう。 - 幅40cmの飼育ケースで濾過装置を設置した場合。
幅40cmの飼育ケースで水深25cmにして濾過フィルターを設置した場合には水替えは1週間に1回が目安となります。 - 幅60cmの飼育ケースで濾過装置を設置した場合。
幅60cmの飼育ケースで水深30cmにして濾過装置を設置した場合には水替えは2週間に1回が目安となります。
与えるエサの種類によっても水の汚れ具合は違ってきます。
ミシシッピニオイガメの健康のために、水が汚れていたらすぐに取り替えるようにしましょう。
ミシシッピニオイガメのエサと与え方。
ミシシッピニオイガメは肉食中心の雑食で色々なものを食べますが、通常はカメ専用の人工餌を与えるのがよいでしょう。
- カメ専用の人工エサ。
飼育下ではカメ専用の人工エサを与えるのがおすすめです。
カメ専用の人工エサはカメに必要な栄養素が含まれていて食べ易く、水が汚れづらいように作られています。手に入りやすく管理も簡単なので一番おすすめです。 - カメのおやつ
カメ専用の人工餌を主食として与え、たまにおやつを与えると喜びます。カメのおやつとして乾燥エビや乾燥したパンが販売されています。冷凍赤虫も食べます。 - 生餌
メダカや小型の金魚、ミナミヌマエビ、タニシなど
旅行等でエサを与えられない時におすすめです。
しかし、どちらの事態も避けるために、留守にしてエサを与えられない場合には貝や小魚などの生餌を与える事をおすすめします。
人工餌の場合にはエサの与え方の説明を基本としてミシシッピニオイガメの体型を見ながら調節して与えましょう。
複数匹での飼育や魚などとの混泳は避けて単体で飼育するのがおすすめです
ミシシッピニオイガメは温和な性格をしていますが、小さい魚や貝はエサと判断して食べてしまう可能性が高くなります。
大きい魚と一緒にすると魚にいじめられたり、いじめられなくてもつつかれたりしてストレスを感じて体調不良になる可能性があります。
また、ミシシッピニオイガメは水換えの頻度が高いので魚が生息できる水質を保つのが難しくもなります。
そのためミシシッピニオイガメは単独での飼育をおすすめします。