これからイシガメを飼おうと思っている。イシガメを飼っているけれど飼育方法に疑問点がある…という場合には是非ともご一読下さい。
イシガメの飼い方がわかるように、その生態や飼育環境などをご紹介させて頂きます。
イシガメはペットとして広く人気があるミドリガメやクサガメと同じ様に飼育すると皮膚病になってしまう場合が多くあります。
イシガメが元気で長生きできるように、適切に飼育してあげましょう。
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イシガメの飼い方を知るにはイシガメの生態を把握しておきましょう。
ニホンイシガメが野生で生息するのは日本だけで、流れの穏やかな河川や湖などに生息します。
イシガメペットとして飼育されてきた歴史は長く、江戸時代よりも前から飼育されていました。
しかし、近年では土地開発による生息域の減少、外来種との生存競争、外来種の哺乳類に捕食されるなどして数が激減しています。
そのためペットショップで販売されているイシガメのほとんどは飼育下で繁殖したCB固体か中国原産のミナミイシガメです。
野生個体であるWC個体は寄生虫がいたり人工餌を食べなかったりと飼育しづらい点が多い可能性があるので、飼育には向きません。
ミナミイシガメもニホンイシガメと同じ飼育方法で飼育できます。
イシガメは昼行性で昼間にはよく日光浴をします。雑食で水草や魚、エビ、ザリガニ、貝、昆虫、ミミズなどを食べます。
野生のイシガメは寒さに強く冬は水底の落ち葉にもぐったり石の隙間に入ったりして冬眠して過ごします。
飼育下でも冬眠させる事は可能ですが、上手くいかずにそのまま生命を失ってしまう場合があるのでヒーターなどで保温して冬眠させずに飼育した方がよいでしょう。
イシガメは、ミドリガメよりも臆病な性格をしていますが、長く飼育していると飼い主を判別して慣れるようになります。
ただ、カラスやアライグマなどの天敵に狙われる可能性があるので注意が必要です。
室内で飼育する場合はスペースが限られるので多頭飼いすると喧嘩する可能性が高まるので単独で飼育した方がよいでしょう。
イシガメは肌がデリケートで皮膚病になりやすいので、水質の管理やしっかりと身体を乾燥させられる環境を整えることが大切です。
イシガメはメスよりもオスの方が小さく甲羅の全長は15cm程度、メスは全長20cm程度まで成長します。
寿命は20~30年程度で飼育環境によってかなり差が出ます。
イシガメの基本的な飼い方
イシガメが健康に過ごせるように飼育ケース内の温度は25度程度に保つようにしましょう。夏はエアコンを使用したり、冬はヒーターを使用して適温を保ちます。
水場の水温も25度程度に保ちましょう。
イシガメが汚れてきたらきれいに掃除してあげましょう。
- 飼育ケース
飼育ケースの大きさは横幅が60cm以上は必要で、横幅90cmのものが望ましいでしょう。
ベビーのうちは小さいプラケースなどでもよいのですが、1年で甲羅の全長10cm程度まで成長するので、成長に合わせて大きな飼育ケースを用意してあげましょう。 - 水場と陸地を作る。
飼育ケースの中に水場と陸地を作ります。水を張って台を置き人工芝を置いたりレンガを置くのもよいでしょう。
イシガメは泳ぎが得意ではないので水は浅めで陸地を広くとります。陸地と水の面積は半分ずつか、陸地が広いくらいがよいでしょう。
一面に人工芝を敷いてトレーやタッパに水を入れて置く方法もあります。 - ヒーター
飼育ケース内の保温は、バスキングスポットだけで保温できる場合もあります。飼育ケースが広くバスキングスポットだけでは足りない場合には飼育ケースの蓋に取り付けるヒーターを併用するとよいでしょう。
水域は水の量が多い場合には水中ヒーターを使用し、タッパやトレーなどで少ない場合には底の部分にパネルヒーターを敷くだけで保温できる場合もあります。 - 甲羅が汚れたら掃除をしてあげましょう。
甲羅にコケが生えたりして汚れている場合には軟らかいスポンジや布で拭きとってきれいにしてあげましょう。
清潔に保つことが健康維持のために大切です。
イシガメが健康を維持できるようにバスキングスポットを作ります。
イシガメは寒さに強いとはいえ、ずっと寒い状態で日光浴もできないと体調を崩してしまいます。
日光浴をすることによって身体を温めて消化を促進し、カルシウムを育成するという役割もあります。
そのためにもバスキングスポットは重要です。
元気がなかったイシガメがバスキングスポットを設けるとすぐにやってきて元気になったという話を多く耳にします。
- バスキングスポットの作り方
陸地にイシガメが乗れる大きさのレンガや木の板などを置いて、そこに「紫外線ライト」と「保温ライト」を照射します。紫外線と保温が一緒になったライトもあります。
バスキングスポットはイシガメの身体がすっぽりと入るくらいの範囲で設置します。そうすることによりイシガメが自分で日光浴したい時だけ利用できるようになります。飼育ケース全体に照射するのはやめましょう。
紫外線ライトは長期間利用していると紫外線量が減少します。製品に定められている使用期限がきたら新しいライトに交換しましょう。 - バスキングスポットの温度
バスキングスポットの温度は30~35度程度になるようにライトを設置します。照射場所からライトまでの距離を調節して温度調節しましょう。
自然での日光浴で足りない場合の補助として設置します。
イシガメが好きな時に自分で調節して日光浴できるようにしてあげましょう。
バスキングスポットを設けられない場合には、週に2回は日光浴をさせてあげましょう。
適切な日光浴のさせ方を知ってイシガメの飼い方をマスターしましょう。
イシガメの健康を維持するためには日光浴が欠かせません。
バスキングスポットを設けても自然の日光浴もさせてあげましょう。
日光浴というと直射日光に当てることをイメージする場合が多くありますが、イシガメは直射日光に長時間当てると暑さのために生命を失ってしまう場合があります。
日光浴をさせる時には次のポイントを抑えておきましょう。
- 直射日光に当てない。
曇りの日は日光浴に最適です。
晴れた日に日光浴させる場合には直射日光が当たらない日陰で日光浴させます。
暑くなった時に避難できる隠れ家やシェルターを設けましょう。 - 日光浴させる時間は10分程度。
日光浴は10分程度でよいでしょう。それよりも長い時間日光浴させる場合には隠れ家などの退避場所を設けましょう。 - 窓と飼育ケースの蓋を開けるだけでも日光浴できます。
紫外線は窓などでは遮断されてしまいますが乱反射するので飼育ケースを外に出さなくても条件を整えると日光浴させることができます。
窓の近くに置いて窓と飼育ケースの蓋を開けておきます。それだけでも紫外線がイシガメに当たり日光浴になります。
紫外線には殺菌作用があるのでしっかり日光浴をさせることによって皮膚病の予防にもなります。
イシガメの飼い方では水質を保つこともとても重要です。
イシガメは水質の悪化に弱く水カビ病などの皮膚病を発症してしまう場合があります。
水入れに水を入れて設置している場合には毎日交換して新鮮な水を与えましょう。
水量が多いレイアウトの場合には濾過装置を設置して水質を保ちましょう。濾過装置にはいくつかのタイプがあり、濾過能力やメンテナンス方法が異なります。
イシガメは水中で排泄する場合が多く水が汚れ易いので濾過能力が高い外部フィルターがおすすめです。もっと濾過能力の高い濾過装置もありますが、その分メンテナンスが大変になるので外部フィルターが濾過能力とメンテナンスのバランスが取れていると思われます。
イシガメの水は塩素が入った水道水を使用した方が水質が保てて良いという説もありますが、塩素が肌を痛めて皮膚病になりやすくなるという説もあります。
塩素が入った水道水でも長年問題なく飼育できているという話も聞きます。
しかし、水道水の質は地域によって差があるので一概には言えないでしょう。
個人的には、多くの魚類などの飼育ではカルキ抜きが必要とされているのでやはりカメにもカルキ抜きされた水の方がよいのではないかと考えています。ただ、カルキ抜きすると塩素がない分雑菌が繁殖し易くなり早く水質が悪化するので、そのように悪化した水よりは塩素が入っていても汚れづらい方がよいということではないかと考えています。
水道水の中の塩素や重金属を無害化し、カメの皮膚を保護する成分が入ったカメ専用の水質を作る溶液が販売されています。
この溶液を使用するとなかなか治らなかった皮膚病や傷が改善されたという話を聞いたことがあります。
イシガメのエサと与え方
イシガメは雑食性で水草、昆虫、ミミズ、魚、エビ、ザリガニ、貝などを食べますが、飼育下ではカメ用の人工餌がおすすめです。
エサはお皿に乗せて与えるとイシガメが食べ易くて飼育ケースも汚れません。
特に砂利などを敷いている場合には誤食を防ぐためにも大きなお皿に入れて与えましょう。
- カメ用の人工餌
栄養バランスが整っており長期保存が可能で手軽に利用できるので、メインで与えるエサとしておすすめです。 - 水草
水草は様々な種類のものを食べますが、個体によって好みがあるようです。マツモやアナカリスを好む個体が多いようです。
常に入れておくと食べずにちぎって遊んだりして水草を駄目にしてしまう場合がありますが、留守の時の非常食として重宝します。 - カメのおやつ
カメのおやつとして販売されている乾燥エビやパンをたまに与えると喜びます。 - 食材
レバー、砂肝、ささみ、野菜などの食材も食べます。 - 生餌
エビや貝、コオロギやミルワームなどで、ペットのエサや人間用の食品として販売されているものを選びましょう。
自然で採取したものは寄生虫等の心配があります。
生餌は留守にしてエサを与えられない時の食事としても重宝します。
1歳までのベビー期
毎日1~2回食べるだけ与えます。
大人
1歳を過ぎたら1日1回、2日に1回などと徐々に減らしていき、最終的には3日に1回程度にします。食欲や太り具合をよく観察して与える頻度や1回に与える量を調節しましょう。