スッポンは本来は丈夫な生き物なので、必要なアイテムを揃えてしまえば飼うのは難しくはありません。スッポンと聞くと食べる事をイメージする方も多いでしょうが、長い顔にくりくりと丸い目が愛らしくペットとしても人気があります。上手に飼うと30年程も生きるので家族の一員のような存在になります。
スッポンの飼い方を知って元気に長生きしてもらいましょう。
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スッポンの飼い方を知るためにはまずは生態を把握しておきましょう。
スッポンはアジアの流れの緩い河川や池、沼などに生息します。
カメと似ていますが多くのカメよりも水棲が強く泳ぎが得意で、エサを食べる時以外などは水底の砂にもぐって過ごします。日光浴をするために陸に上がります。
甲羅が柔らかく手足に水かきがあります。顔が細長く、鼻先が突き出ています。顎の力が強く性格は臆病ゆえに攻撃性が強いので、手を出すと噛み付いてきます。
保身のために噛み付くので、かまれた場合はそのままスッポンを水中に入れると口をはなして逃げて行きます。
甲羅の長さは25~30cm程度まで成長します。広い池などで育てると大きく成長しますが、水槽で飼育していると25cm程度までしか成長しない場合が多いです。
寿命は25~30年程度で、上手に飼育すると長生きしてくれます。
自然界では冬は冬眠して過ごします。
スッポンの飼い方を知って元気に育てましょう。
スッポンの飼育に必要なアイテムを揃えましょう。
- 飼育ケース
スッポンの甲羅は柔らかいので、成長期に狭い飼育ケースで飼育していると変形してしまう場合があります。そのため広めの飼育ケースに入れて飼育することが大切です。
飼育ケースは横幅と奥行きが90cm×45cm以上の物を用意しましょう。
スッポンは屋外の池などで飼育することも可能です。
脱走防止のために蓋は必ず閉めましょう。屋外で飼育する場合にはカラスや犬、猫などに襲われないように丈夫な蓋や金網を設置しましょう。 - 底砂
スッポンは多くの時を底砂にもぐって過ごします。甲羅全体が隠れる程度の深さに底砂を敷きます。甲羅が柔らかいので砂の粒が荒いと傷が付いてしまいます。粒が細かくて丸い砂を選ぶとよいでしょう。 - 陸地
木製のすのこ板やカメ用の浮島などで陸地を作ります。陸地に上がるための階段もつけてあげるとよいでしょう。ゴツゴツとした石や岩を使うと甲羅が傷ついてしまうので、木やプラスチックなどの滑らかな素材の物を使いましょう。
スッポンの飼い方では水質を保つことが重要です。
スッポンは水の中で殆どの時間を過ごすので、水質を保つ事はとても重要です。
水が汚れていると皮膚病になってしまい、そのまま生命を失ってしまうスッポンが多くいます。水は常にきれいな状態に保ってあげましょう。
- 水の深さ
水の深さはスッポンが後ろ足で立ち上がった時に鼻先が水面に出るくらいにします。 - 水換え
スッポンの飼育では、水が汚れたらすぐに水換えをすることが基本となります。スッポンは食欲旺盛で排泄物の量も多いので水が汚れるのが早く、水換えが頻繁に必要です。 - 濾過装置
濾過装置を使用すると水換えの頻度を少なくすることができます。
スッポンの飼育では水深が浅いので投げ込み式フィルターが使用しやすいでしょう。
ただ、投げ込み式フィルターは濾過能力は高くないのであくまでも補助的なものと考えましょう。 - 水温計
スッポンの飼育に適した水温は25~28度です。
水温計を設置して常に水温を把握しておきましょう。 - 保温ヒーター
冬の間は飼育下では冬眠させないように保温することをおすすめします。飼育下で冬眠させると失敗してそのまま生命を失ってしまう場合があります。
水中に入れる保温ヒーターを使用して水温を25度程度に保ちます。スッポンが火傷をしないようにヒーターにはカバーを取り付けましょう。
ベビーのうちでプラケースを使用している場合には水量が少ないので、パネルヒーターを水槽の底に敷くだけでも温度が保てるでしょう。
スッポンには日光浴とバスキングスポットが必要です。
野生のスッポンは危険をおかしてまで陸に上がって日光浴をします。
これは健康を維持するために日光浴が欠かせないためです。
屋外で飼育している場合には日光浴できる陸を用意しておくだけで良いでしょう。
屋内で飼育する場合には定期的に日光浴をさせて、飼育ケースにバスキングスポットを設置してスッポンが好きな時に日光浴できる環境を作ってあげましょう。
- バスキングスポットを作る。
バスキングスポットは人工的に作った日光浴できる場所のことをいいます。陸に紫外線ライトと保温ライトを照射して、35度程度のバスキングスポットを作ります。
ライトを照射する範囲はスッポンの身体全体が入るくらいにします。
スッポンが身体をしっかりと乾かすことができるように完全な陸の部分を選びましょう。
ライトの強さは、ライトの能力もしくは設置距離を変えて調節します。
バスキングスポットでの滞在時間が長い場合には紫外線ライトが弱い場合があります。ライトの位置もしくは陸地の高さを変えてライトと照射場所までの距離を短くするか、強いライトに換えましょう。
紫外線ライトは期間が経過するほどに照射量が弱くなります。使用期限がきたら新しいライトに交換しましょう。 - 日光浴をさせる。
バスキングスポットを設けていても十分ではないので、1週間に1度は日光浴をさせましょう。直射日光に当てると暑すぎて生命が危険にさらされてしまう場合があるので、曇りの日もしくは日陰で日光浴させます。
日光浴させる時には衣装ケースなどに入れて日陰に置いてあげるとよいでしょう。シェルターを入れておくと暑くなった時にスッポンが自分で隠れることができるので安心です。
日光浴させる時間は10~30分程度でよいでしょう。
脱走しないように目を離さずに見ているか、蓋をしましょう。特に猫やカラスなどが来る心配がある場合には金網でしっかりとガードします。
ガラスやプラスチックで蓋をすると紫外線が妨げられてしまうのでネットや金網などを使用しましょう。
バスキングスポットを設けない場合には毎日10分程度日光浴をさせましょう。
スッポンが肥満になり短命にならないように良質のエサを適量与えましょう。
野生のスッポンは魚やザリガニ、貝などを食べ、飼育下でも与えれば同様のものを食べます。
しかし、栄養バランスやエサの管理の容易さからカメ用の人工飼料をおすすめします。
成長期のうちは毎日食べるだけ与えて良いのですが、成長しきったら2日に1回にします。エサを与えすぎると肥満になってしまい、肥満は人間同様健康によくありません。
スッポンの体型を見ながらエサの量を調節して与えましょう。
留守にする場合には人工餌を多く与えると水質が悪化するので、タニシなどの生餌を入れておくとよいでしょう。
スッポンは攻撃的で食いしん坊なので、他の魚などと混泳させると食べてしまう可能性が高くなります。
皮膚病は早いうちに治療すると治る場合が多いので、日頃からよく観察して体調管理をしてあげましょう。