ヒガシヘルマンリクガメはヨーロッパの林や草原に生息する草食性のカメです。丸くて厚みのある甲羅にはっきりとした模様のコントラストが美しく、ペットとしても人気があるリクガメです。温和な性格をしていて飼い主を認識してなつくので、長く一緒に暮らしていると家族のような存在になるでしょう。
適切な飼育方法を知って健康に長生きしてもらいましょう。
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ヒガシヘルマンリクガメの特徴
ヒガシヘルマンリクガメはイタリア北東部、イタリア中部、南イタリアからルーマニア、ブルガリアまでの一帯の林や草原に生息します。
ニシへルマンリクガメはイタリア北西部やシチリア島、フランス南部やスペイン東部の林や草原に生息し、ヒガシヘルマンリクガメとよく似た外観をしています。
しかし、大きさはヒガシヘルマンリクガメの方が大きく、甲羅の全長はニシへルマンリクガメは19cm程度なのに対しヒガシヘルマンリクガメは30cm程度まで成長します。
ペットとして流通しているのはヒガシヘルマンリクガメが多いですが、ヒガシヘルマンリクガメとニシヘルマンリクガメが交雑している個体も存在します。
生態はどちらもほぼ同じなので、成長したサイズに合わせた飼育ケースを用意する以外は同様の飼育方法で問題ありません。
草食性で様々な種類の植物を食べ、冬の間は冬眠して過ごします。
昼行性で日光浴が欠かせず、夜間は岩や草の間で過ごします。
温和な性格をしていて飼い主を認識して寄って来るようになります。
ヒガシヘルマンリクガメの飼育方法。
ヒガシヘルマンリクガメを飼育するためには、次の物を用意しましょう。
- 飼育ケース
ヒガシヘルマンリクガメは活発に歩き回るので、できるだけ広い飼育ケースを用意してあげましょう。飼育ケースの横幅が90cm以上のものを選ぶとよいでしょう。 - 床材
飼育ケースの底そのままだとヒガシヘルマンリクガメは滑ったりして歩きづらく、足を痛めてしまう可能性があります。砂などの床材を敷いてあげましょう。
ヘルマンリクガメは床材を誤食してしまう場合があるので食べても大丈夫な床材を選ぶことをおすすめします。
床材としては様々なタイプのものが販売されていますが、少量なら誤食しても大丈夫で湿度管理がしやすい「デザートブレンド」や「カルシウムサンド」、「ヤシガラマット」がおすすめです。 - 水入れ
水は飲むだけではなくヒガシヘルマンリクガメが中に入る場合もあるので、身体全体が入れるくらいの大きさのものを用意しましょう。 - シェルター
ヒガシヘルマンリクガメが安心して過ごせるようにシェルターを置きます。身体全体が入れるくらいの大きさのものを用意しましょう。 - ヒーター
飼育ケース内の温度は25~30度程度に保つようにします。野生では冬は冬眠して過ごしますが飼育されている環境ではうまく冬眠できずに生命を失ってしまう可能性があります。そのため冬や朝晩に寒くなるような時期にはヒーターを設置して保温し、冬眠しないようにすることをおすすめします。
飼育ケースの蓋に取り付けて広範囲を保温することができるヒーターと、飼育ケースの底に敷いて保温するパネルヒーターを併用するとよいでしょう。
飼育ケースの底に敷くパネルヒーターは、飼育ケースの3分の1程度にだけ敷いて暑い時には退避できるようにします。 - 温湿度計
飼育ケース内の温度と湿度が分かるように温湿度計を設置しましょう。 - 霧吹き
飼育ケース内の湿度は40~60パーセント程度に保ちましょう。湿度が足りない時には霧吹きで加湿します。
ヒガシヘルマンリクガメに直接かけて驚かさないように気をつけましょう。
嫌がることをするとなつかなくなってしまいます。
ヒガシヘルマンリクガメには日光浴のためのバスキングライトが必要です。
ヒガシヘルマンリクガメは健康を保つために日光浴が必要です。
ヒガシヘルマンリクガメが必要な時に日光浴できるように、紫外線ライトと保温用のライトを照射してバスキングスポットを作ります。
バスキングスポットを作る時のポイント
- 平らな石や木材を置く。
バスキングスポットにする場所に平らな石や木材などを置きます。ヒガシヘルマンリクガメの身体全体が乗れる大きさのものを選びましょう。バスキングでは背中だけではなくライトで温められた地面に付けてお腹を温めることも重要です。そのためお腹が密着できるように平らなものを選びましょう。 - 紫外線ライトと保温用ライトを設置する。
バスキングには紫外線と保温が必要なので、紫外線ライトと保温用ライトを用意します。バスキング用ライトで両方が一緒になったライトもあります。
紫外線は使用するにつれて発生量が減少してくるので、製品の使用期限を守って使用しましょう。 - バスキングスポットの温度は35~40度にする。
ライトの設置位置や、石や木材の高さを調節してバスキングスポットの温度が35~40度になるようにします。 - バスキングスポットは飼育ケース内の一部分にのみ設ける。
飼育ケース内で占めるバスキングスポットが広すぎると暑くなった時に退避する場所がなくなってしまうので、ヒガシヘルマンリクガメの身体がすっぽりと入るくらいの範囲だけにとどめましょう。
運動不足解消のために散歩をさせましょう。
飼育ケースの中では運動不足になってしまうので、散歩をさせてあげましょう。
散歩をさせる時には次のことに注意しましょう。
- 危険なものを食べてしまわないようにする。
地面に落ちているものや生えている植物を食べてしまう可能性があるので、危険なものがある場所は避けてたり取り除いておきましょう。
特に毒性のある植物には注意が必要です。 - 脱走しないように見守りましょう。
思っている以上に早く歩いて移動する場合があるので散歩中は目を離さないで見守りましょう。 - 熱中症に注意する。
強い日差しの下長時間散歩させないようにしましょう。晴れた日のアスファルトなどはかなり熱くなっています。地面付近は人が思っている以上に高温になっている場合があるので注意しましょう。
ヒガシヘルマンリクガメのエサと与え方
ヒガシヘルマンリクガメは草食性なので野菜類を与えます。
エサは床材の誤食を防ぐためにお皿に入れて与えましょう。ただ、お皿に入れていても食べているうちにこぼれて床材が付いてしまう場合があります。できれば食事スペースとして板などを敷いた場所を作り、そこにお皿を置くと安心です。
- エサとして与えられる野菜について。
小松菜、チンゲンサイ、大根の葉、カブの葉、モロヘイヤ、サラダ菜、水菜、豆苗、とうもろこし、トマト、かぼちゃ、人参、パセリ、レタス、キャベツ、ブロッコリ、ほうれん草など。
小松菜やチンゲンサイ、大根の葉、カブの葉、モロヘイヤなどカルシウムが多く含まれる野菜を主として与えるとよいでしょう。旬の野菜も栄養価が高くなりおすすめです。
キャベツ、ブロッコリ、ほうれん草は与えすぎるとよくない成分が含まれているので控えめにしましょう。 - 与えてはいけない野菜や植物について。
玉ねぎ、長ネギ、ニンニク、ニラなど。観葉植物も毒性があるものが多いので食べさせないように注意しましょう。
日本の庭や畑でよく見られるスズラン、アジサイ、フクジュソウ、ヒヤシンス、トマトの実以外の部分、ジャガイモの可食部以外の部分、ワラビなど毒性がある植物が多くあるので、散歩中にも食べてしまわないように注意が必要です。
クローバー、タンポポ、ヨモギ、ハコベなどの野草は食べられますが、寄生虫など衛生面が心配なので与えない方がよいでしょう。
エサは毎回決まった時間で、食べた後にバスキングを3時間以上できるように設定しましょう。食べた後にバスキングをしてしっかりと消化できるようにすることが大切です。
子供のうちは1日3回、毎日エサを与えます。
大人になったら1日2回にします。
ヒガシヘルマンリクガメは毎日世話をしているとなついて寄って来るようになります。
長く一緒に過ごしていると家族のような存在になるものです。